東京在住の方！相続対策でのリバースモーゲージは活用しないで下さい

リバースモーゲージとは？ ～契約前に知っておくべきリスクと注意点～

高齢者が自宅を担保にお金を借り、生活費や医療費などに活用できるリバースモーゲージは、注目されている制度です。しかし、契約内容や仕組みによっては、相続人や利用者本人にとって思わぬリスクを伴うことがあります。本記事では、リバースモーゲージの仕組みやその注意点、特に利用を控えたほうがよい理由について詳しく解説します。

 

1. リバースモーゲージの基本的な仕組み

リバースモーゲージの概要

リバースモーゲージは、高齢者が自宅などの不動産を担保に融資を受け、借入金を元に生活費などに充てる仕組みです。借入額は主に不動産の価値を基準に算出され、返済は通常、利用者の死亡後に担保となった不動産を売却することで行います。

不動産価格の算定方法

• 路線価基準で評価される
  市場価値（実勢価格）ではなく、路線価を基準に不動産の評価額が算出されるケースが一般的です。路線価は市場価格の70～80％程度とされるため、担保価値が低く見積もられることが多いです。
• 評価額の70％が借入上限
  さらに、その評価額の70％程度が融資可能額となるため、実際の不動産価値に比べると借入額は大幅に少なくなります。

 

2. リバースモーゲージを利用しないほうがよい理由

(1) 相続人が不動産の売却に意見を言えない

リバースモーゲージの契約では、不動産を担保として金融機関に提供するため、相続人がその不動産に関して意見を述べる権利が制限されることが一般的です。

• 不動産売却の時期や価格は金融機関が決定。
• 相続人が思い入れのある不動産でも、売却に反対する権利がない。

これにより、家族間のトラブルや不満が生じる可能性があります。

(2) 不動産価値の下落リスク

リバースモーゲージでは、担保となる不動産の価値が大きな影響を及ぼします。不動産価値が下落した場合、以下のようなリスクが発生します：

• 借入限度額の引き下げ
• 追加の担保提供や一括返済を求められる場合がある

特に地方や都市部以外のエリアでは、不動産価格が下落する傾向があるため、将来のリスクが高まります。

(3) 契約内容が複雑で不透明な点が多い

リバースモーゲージの契約は専門的で複雑なため、利用者がすべての条件やリスクを十分に理解せずに契約してしまうケースがあります。

• 金利上昇リスク：変動金利で融資を受ける場合、金利が上昇すると借入額が膨らむ可能性がある。
• 利用条件の厳しさ：契約者本人が自宅に住み続けることが条件とされ、施設入居や転居時に返済義務が発生する。

(4) 家族の生活や将来設計への影響

リバースモーゲージを利用すると、相続財産としての不動産が消失するため、家族の生活設計に影響を及ぼす可能性があります。また、担保に取られた不動産が売却されることで、家族の居住先が失われるリスクもあります。

 

3. リバースモーゲージを避けるべき代替案

リバースモーゲージを利用せずに資金を調達する方法には、以下のような選択肢があります：

(1) 不動産の売却や賃貸

• 不動産を直接売却して資金を確保する。
• 空き家を賃貸に出すことで安定した収入を得る。

(2) 生前贈与や遺言書の活用

• 生前贈与で家族に資産を分配し、相続税の負担を軽減する。
• 遺言書を作成して家族間のトラブルを防ぐ。

(3) 不動産担保ローン

リバースモーゲージではなく、通常の不動産担保ローンを検討する方法もあります。契約内容が明確で、利用条件の柔軟性が高い場合が多いです。

(4) 公的支援や地域のサービスを活用

高齢者向けの公的支援制度や地域サービスを利用することで、生活費や介護費用の負担を軽減することが可能です。

 

4. リバースモーゲージ契約前に考慮すべきこと

リバースモーゲージを検討する際には、以下の点を慎重に確認してください：

• 契約条件や金利の詳細
• 家族や相続人への影響
• 将来的な不動産価値の見通し
• 他の資金調達手段との比較

 

相続でお困りの方へ

リバースモーゲージは一見便利に思える制度ですが、契約内容やリスクを十分に理解せずに利用すると、家族や自身の将来に大きな負担を残す可能性があります。「相続対策の知恵袋」では、リバースモーゲージを含めた資産管理や相続に関するご相談を承っています。不安や悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。